…もと光明皇后の意志の伝達,日常生活等を営むために729年(天平1)設置された皇后宮職を改称したものである。孝謙天皇の即位にともなって光明皇后が皇后から皇太后へかわったことに際してとられた措置であるが,紫微中台の長官(紫微令,後に紫微内相)に藤原仲麻呂が任命され,光明皇后との密接なつながりを官職上ももったことが注目される。当時,仲麻呂は大納言であったため,公的政治の場である太政官にも影響力をもち,同時に光明皇太后とむすんで天皇家と直接連絡をとるという立場をもつこととなった。…
※「紫微内相」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」