細波や(読み)サザナミヤ

デジタル大辞泉 「細波や」の意味・読み・例文・類語

さざなみ‐や【細波や】

[枕]さざなみの」に同じ。
「―志賀の都は荒れにしを」〈平家・七〉
「―よるべも知らずなりにけり」〈新続古今・恋二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「細波や」の意味・読み・例文・類語

さざなみ‐や【細波や】

(古くは「ささなみや」)
① 「近江」「志賀」「長等」「三井」など、近江国(滋賀県)琵琶湖南西岸の地名にかかる。
※神楽歌(9C後)小前張・細波「〈本〉佐々奈見也(ササナみヤ) 滋賀の辛崎や 御稲(みしね)(つ)く 女の佳さ」
拾遺(1005‐07頃か)雑上・四八三「ささなみや近江の宮は名のみして霞たなびき宮木もりなし〈柿本人麻呂〉」
さざ波が寄る意から、「寄る」にかかる。
※新続古今(1439)恋二・一一一五「ささ波やよるべも知らず成にけり逢ふはかた田のあま捨舟〈道玄〉」
③ さざ波の寄せる浜の意から、「浜」にかかる。
謡曲関寺小町(1429頃)「近江の湖(うみ)のさざ波や、浜の真砂は尽くるとも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報