最新 地学事典 「結晶塑性変形」の解説
けっしょうそせいへんけい
結晶塑性変形
crystalloplastic deformation
岩石の変形を生じさせる,構成鉱物(結晶)自体の変形を指す。結晶塑性変形の機構にはさまざまなものがあり,温度・応力および歪み速度等の物理条件,水のフュガシティーや結晶粒径による転位すべり,変形双晶,原子・空隙の拡散,粒界すべり等の異なる機構が優勢になる。一般には,転位すべりが転位の上昇等で律速される,転位クリープが広い物理条件で優勢である。岩石を構成する結晶では,結晶中の独立なすべり面の数が限られ,von Misesの一様歪み形成の条件が満たされない場合が多いほか,塑性変形は水の存在に大きく影響される。このため,金属結晶について主として研究されてきた結晶塑性変形の機構を,岩石結晶に応用するには注意が必要である。
執筆者:竹下 徹
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

