…鎌倉時代後期からこの関係に変化がみえはじめるが,それは家財産が総じて窮迫化し,財産のほとんどが惣領に譲られ,庶子・女子の相続部分が少なくなって,譲られても死後には惣領にもどされる一期分(いちごぶん)が多くなったことによる。惣領職という職が見いだされるのはこのころからで,代々惣領に譲られる所領が定まり,それに惣領の権限とが付随して一括して惣領に譲られるものとして成立した。この惣領職の成立によって,惣領職を獲得したものが惣領であり,庶子はこの惣領職の下に従属するものであるという観念が形成され,ここに庶子は惣領の下に完全に従属することになる。…
※「総領職」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」