総領職(読み)そうりょうしき

精選版 日本国語大辞典 「総領職」の意味・読み・例文・類語

そうりょう‐しきソウリャウ‥【総領職・惣領式】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中世武家の一族内での惣領地位にもとづく権限。また、その支配権やその財産所領など。
    1. [初出の実例]「頼親父政親者〈略〉以惣領職者、譲与嫡子頼親」(出典:鹿島大禰宜家文書‐弘安九年(1286)七月二九日・関東下知状)
    2. 「そうりゃうしきさうろんのうちにかきいれられるとも」(出典:詫磨文書‐元亨二年(1322)一一月二七日・詫磨親政和与状)
  3. 江戸時代、家督を相続すべき嗣子、長男子。
    1. [初出の実例]「信忠卿者御惣領式にて御座あれば」(出典:三河物語(1626頃)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の総領職の言及

【惣領】より

…鎌倉時代後期からこの関係に変化がみえはじめるが,それは家財産が総じて窮迫化し,財産のほとんどが惣領に譲られ,庶子・女子の相続部分が少なくなって,譲られても死後には惣領にもどされる一期分(いちごぶん)が多くなったことによる。惣領職という職が見いだされるのはこのころからで,代々惣領に譲られる所領が定まり,それに惣領の権限とが付随して一括して惣領に譲られるものとして成立した。この惣領職の成立によって,惣領職を獲得したものが惣領であり,庶子はこの惣領職の下に従属するものであるという観念が形成され,ここに庶子は惣領の下に完全に従属することになる。…

※「総領職」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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