デジタル大辞泉 「御座」の意味・読み・例文・類語 ご‐ざ【御座】 1 座を敬っていう語。貴人の席。おまし。ぎょざ。2 貴人がおいでになること。「これに―のことはいかなる人も知り候はじ」〈太平記・一一〉3 「上げ畳だたみ」に同じ。「ことさらに―といふ畳のさまにて、高麗などいと清らなり」〈枕・二七七〉 お‐まし【▽御▽座】 《「まし」は尊敬の動詞「ます」の連用形から》1 「御座所おましどころ」に同じ。「御車入れさせて、西の対に―などよそふ程」〈源・夕顔〉2 敷物などを、その使用者を敬っていう語。「塗り籠めに―ひとつ敷かせ給ひて」〈源・夕霧〉 お‐ざ【▽御座】 1 「座席」「座敷」の美化語・尊敬語。2 浄土真宗で、説教・法座をいう尊敬語。 ぎょ‐ざ【御座】 天子や貴人の座席。玉座。ござ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「御座」の意味・読み・例文・類語 ござい【御座】 [ 一 ]① ( 「ございます」の略 ) 「ある」の意の丁寧語。補助動詞として用いられる。ございます。あります。近世後期から、多く口上などに用いられた語。[初出の実例]「なんば新地にしんぞうぶれをする男『さるやしき出ほん肉しろと福新から出られます。近年のしろ物でござい』といふが名代にて」(出典:洒落本・浪花今八卦(1773)桐台卦)「田舎者でござい、冷物(ひえもの)でござい」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)大意)② ( 「ございますか」の略 ) 「あるか」の意の丁寧語。ございますか。ありますか。行商人の呼び声として用いられた語。[初出の実例]「にしきだんごはようござい」(出典:洒落本・呼子鳥(1779)品川八景)[ 二 ] ( 「ござる」の命令形 )① 「来い」の意の軽い尊敬語。きなさい。近世後期の語。[初出の実例]「かかあどのちょっとございと間(あい)をさせ」(出典:雑俳・柳多留‐八(1773))② 補助動詞として用いられる。「いろ」の意の尊敬語。いなさい。[初出の実例]「それとも盗人になりゃア、お前も抱いて入るから、マアさう思ってござい」(出典:歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)序幕) ご‐ざ【御座】 〘 名詞 〙① 天子など身分の高い人の座席。おまし。おましどころ。ぎょざ。[初出の実例]「設二皇后御座於高座東幔之後一」(出典:内裏式(833)元正受群臣朝賀式)[その他の文献]〔後漢書‐厳光伝〕② 貴人がその座にあること。その座に着くこと。また、いらっしゃること。→ござある・ござない。[初出の実例]「先に見つる見物衆も、貴人の御座より、みなみな機を静めて、座敷あらぬ体に成て」(出典:花鏡(1424)序破急之事)③ 「ござだたみ(御座畳)」のこと。また「御座畳」が寝具として用いられることも多いことから、寝所そのものの意。[初出の実例]「ことさらに御ざといふ畳のさまにて、高麗など、いときよらなり」(出典:枕草子(10C終)二七七)④ 「ござぶね(御座船)」の略。[初出の実例]「乗初の御座か出て行難波より 一つに焼ひて烟賑ふ」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第三七)⑤ ⇒ござ(茣蓙) お‐まし【御座】 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語。「まし」は尊敬語動詞「ます」の連用形の名詞化 )① 主上または貴人の御座所。おましどころ。[初出の実例]「輿の後頭(しり)を執りて御座(オマシ)の前に置く」(出典:日本書紀(720)白雉元年二月(北野本訓))「すだれのうちにおましまゐりて、〈略〉はたかくれて対面したり」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)一)② 敷物、蒲団などを、その所有者、使用者を敬っていう語。[初出の実例]「御帳の帷子(かたびら)かけ御ましどももてちがふ程いと騒がし」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年九月一〇日)③ 座敷をいう女房詞。[初出の実例]「おましには、ほうらいのかざり、ことことしく」(出典:評判記・吉原すずめ(1667)上)④ うなじ。えりくび。[初出の実例]「人躰のおまし如何。〈略〉但おもなや その反面無の義也 うしろなれば也」(出典:名語記(1275)八) お‐ざ【御座】 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )① 「ざせき(座席)」をいう尊敬・丁寧語。[初出の実例]「かんじゃうでお座へ出されぬやつを持」(出典:雑俳・柳多留‐一七(1782))② その場のようす。→お座が醒める。③ 浄土真宗で、説教、法座をいう尊敬語。[初出の実例]「昨夜横町のお座(ザ)を聴聞しなすったか」(出典:滑稽本・玉櫛笥(1826))④ 座敷。〔菊池俗言考(1854)〕 ぎょ‐ざ【御座】 〘 名詞 〙 天子など身分の高い人の座席。玉座。おまし。ござ。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「御座」の意味・わかりやすい解説 御座ござ 三重県中東部、志摩市(しまし)の一地区。旧御座村。志摩半島の最南端英虞(あご)湾の入口に位置する沿岸漁村。御座漁港には、潮の干満によって没したり見えたりする潮仏があり、地元の漁民の信仰を集めている。御座白浜(しらはま)の海水浴場を中心に民宿観光が盛ん。キャンプ場も多い。国道260号のほか、賢島(かしこじま)から観光船が通じる。[編集部][参照項目] | 英虞湾 | 御座岬 | 志摩 | 志摩(市) 潮仏 御座白浜海水浴場 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by