緑井村(読み)みどりいむら

日本歴史地名大系 「緑井村」の解説

緑井村
みどりいむら

[現在地名]安佐南区佐東さとう町緑井

権現ごんげん(三九七・一メートル)の南に位置し、東南はふる川を境に温井ぬくい村、北東は八木やぎ村に接し、北西の鳥越とりごえ峠を越えると筒瀬つつぜ(現安佐北区)に至る。耕地は広く、平坦で、各所に洪水時の溢水が自然堤防の背後に遊水として残ることがあった。雲石路が南の中須なかす村から古川沿いに八木村へ抜ける。神宮山じんぐうやま遺跡からは弥生中期の長頸壺と推定される土器などが、権現山遺跡では弥生後期の土器包含層が、上山を経て阿武あぶ山に至る道筋にあるシンナシ遺跡からは敲石に使用した河原石が採集された。また植竹うえたけ遺跡にも弥生式土器片の散布がみられるなど早くから開発された地で、「和名抄」の佐伯郡緑井郷の地に比定される。また当村の南境を流れるやす川の南北両岸には条里遺構がみられる。

正治元年(一一九九)一二月日付の伊都岐島社政所解(新出厳島文書)によると、同社の中御供田八町四段のなかに「緑井郷三町五反」とあり、さらに日御供田一五町中に一町四段六〇歩、新御供田四町中に一町、外宮免田三町五段中に三段がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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