縦様(読み)タタサマ

デジタル大辞泉 「縦様」の意味・読み・例文・類語

たた‐さま【縦様/方】

[形動ナリ]
たてになっているさま。立てたさま。たて。
琵琶の御琴を―に持たせ給へり」〈・九四〉
まっすぐ。
草生ひ茂りたるを、長々と―にいけば」〈・二二三〉

たて‐ざま【縦様/縦方】

《古くは「たてさま」》たての方向。たて。
三味線を邪険に取って、と―に引立てる」〈鏡花歌行灯

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「縦様」の意味・読み・例文・類語

たた‐さま【縦様・縦方】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. たてになっているさま。立てたさま。たてざま。
    1. [初出の実例]「三つの点、縦(タタサマニ)もせず、横さまにもせず」(出典:百法顕幽抄平安中期点(900頃))
  3. 長く続いた道や川の中などを、それに沿って行くさま。
    1. [初出の実例]「草葉も水もいと青く見えわたりたるに、上はつれなくて草生ひしげりたるを、ながながとたたさまに行けば」(出典:枕草子(10C終)二二三)

たて‐さま【縦様】

  1. 〘 名詞 〙 ( 後世は「たてざま」とも )
  2. 縦の方向。縦。
    1. [初出の実例]「尊あやしとおぼしめし、たてさまにわって御らんずれば」(出典:平家物語(13C前)一一)
  3. 「様」の字の書き方一つ。旁(つくり)を「美」の字の草書体のように書くこと。美様(びざま)。〔随筆・楓軒偶記(1807‐10頃)〕

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