美男葛(読み)ビナンカズラ

デジタル大辞泉 「美男葛」の意味・読み・例文・類語

びなん‐かずら〔‐かづら〕【美男葛】

サネカズラ別名 秋》
1の茎を浸して得た粘液びんつけ油代用や製紙用ののりとして用いる。美男石びなんせき

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精選版 日本国語大辞典 「美男葛」の意味・読み・例文・類語

びなん‐かずら‥かづら【美男葛】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物さねかずら(真葛)」の異名。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「冬の梅美男かつらの水を借り」(出典:雑俳・童の的(1754‐75)一)
  3. サネカズラの茎をこまかく切り、水につけてつくった頭髪油。びなんせき。さねかずら。
    1. [初出の実例]「五味子髪を結ふにびなんかづらとて南五味子の茎を水に漬しそのねばり汁を用ゆ」(出典:随筆・嬉遊笑覧(1830)一)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「美男葛」の解説

美男葛 (ビナンカズラ)

植物。マツブサ科の常緑つる性植物,園芸植物,薬用植物。サネカズラの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の美男葛の言及

【髪油】より

…また,実物は鹿児島県揖宿郡の枚聞(ひらきき)神社所蔵《松梅蒔絵櫛笥》のなかに1523年(大永3)の目録とともに現存する。整髪料としてはサネカズラ(ビナンカズラ)の枝から浸出した粘質物(キシログルクロニド)を,主として男性用に使っていたので美男葛とも書いた。江戸時代初期から,はじめは髭用に調合した練油に,さらに丁子(ちようじ),白檀(びやくだん),竜脳(りゆうのう),麝香(じやこう)などの香料を配合したものを伽羅之油と名づけ,市販した。…

【サネカズラ】より

…学名のKadsuraは日本語の葛(かずら)よりついた。古くは茎を煮て得た粘液を整髪に用いたので美男葛の別名がある。 夏に黄白色の小さな花を葉腋(ようえき)から出す。…

※「美男葛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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