羽山ごもり(読み)はやまごもり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「羽山ごもり」の意味・わかりやすい解説

羽山ごもり
はやまごもり

福島県福島市松川町金沢(かねざわ)にある黒沼神社の籠り堂で,旧暦 11月16~18日の 3日間にわたって行なわれるお籠りの祭り。羽山は村里近くの小高い山のことで,村を守護する神が宿っていると考えられている。金沢地区の羽山岳には黒沼神社の奥宮がある。16日は夕刻集落の男たちが籠り堂に入り,代掻から田植えにいたる農作業の様子を演じるヨイサアが行なわれる。17日夜には羽山神への供え餅をつくオミネモチツキがあり,18日の夜明け前山がけと称して,白衣を着た男たちが松明を先頭に羽山岳山頂の奥宮に向かう。奥宮では,ノリワラと呼ばれる尸童の口を通して羽山神の託宣が行なわれる。託宣は世の中や作柄などのことが中心で,聞き書き役が筆記し,村の暮らしの指針とする。国指定重要無形民俗文化財。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android