羽栗郡(読み)はぐりぐん

日本歴史地名大系 「羽栗郡」の解説

羽栗郡
はぐりぐん

中世までは尾張葉栗はぐり郡に属したが、天正一四年(一五八六)美濃と尾張の国境であった木曾川の大洪水により郡域が分断され、同川右岸地域が美濃国に編入されて成立。近世の郡域は北は各務かかみ郡・厚見あつみ郡、西は安八あんぱち郡、南は美濃国中島なかしま郡、尾張国中島郡葉栗郡と接し、現在の羽島郡笠松かさまつ町・岐南ぎなん町・川島かわしま町全域と同郡柳津やないづ町・羽島市・各務原かかみがはら市の一部にあたる(→羽島郡。「和名抄」尾張国葉栗郡には五郷が記載され、そのうち葉栗郷と河沼かわぬ郷が岐阜県域に比定される。

〔近世〕

慶長郷帳では高一万九千七七三石余。元和二年(一六一六)の村高領知改帳では高一万八千五二二石余で、幕府領・尾張藩領・奥平忠隆(加納藩)領・稲葉正成(十七条藩)領・平岡頼資(徳野藩)領と旗本坪内家定・安定・定吉・正定領、同津田秀政領、同中川忠勝領、美濃国奉行岡田善同領および聖徳しようとく(現名古屋市)領があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報