翡翠の髪状(読み)ヒスイノカンザシ

精選版 日本国語大辞典 「翡翠の髪状」の意味・読み・例文・類語

ひすい【翡翠】 の 髪状(かざし・かんざし)

  1. 翡翠の羽のように、つややかで長く美しい髪。緑の黒髪。翡翠の髪。
    1. [初出の実例]「翡翠の御かざしつけても何にかはせさせ給ふべきなれば」(出典:平家物語(13C前)灌頂)

翡翠の髪状の語誌

( 1 )女性の髪の美しさをいう中世の慣用表現。みどりの黒髪の「みどり」が、翡翠の羽毛の色を連想させることによる。「桂の黛」や「丹花の唇」と対にされることも多い。
( 2 )髪の美しさは「翡翠」か「楊柳」にたとえられることが多いが、「楊柳」が揺れる髪の動的な美しさの形容に用いられるのに対し、「翡翠」は髪そのものの手入れの行き届いた質感光沢があって乱れず整ったようすをたたえる際に用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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