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黒髪 くろかみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

黒髪
くろかみ

三味線音楽の楽曲名。 (1) 地歌 1世湖出市十郎 (?~1800) 作曲。1世鈴木万里 (?~16) が大坂で弾きはやらせた。三下り。箏を合せるときは,平調子または半雲井調子。大坂の1世津山検校が得意として,その歌い方を津山節ともいった。舞では詞章が語る女の恨みを離れて,座敷舞としての幽艶な姿態が重視される。各流派でさまざまな解釈がなされる。 (2) 長唄 天明4 (84) 年 11月江戸中村座所演の『大商蛭小島 (おおあきないひるがこじま) 』の髪すきの場に用いられた下座メリヤス曲。湖出市十郎および1世杵屋佐吉が演奏,間奏部を省略したり補作したりした。 (1) との先行関係は明らかになっていない。 (3) 一中節 『小春髪結之段』の通称。

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デジタル大辞泉の解説

くろ‐かみ【黒髪】

黒くてつやのある髪。髪の美称。「黒髪
[補説]作品名別項。→黒髪

くろかみ【黒髪】[作品名]

長唄地歌の曲名。初世桜田治助作詞、初世杵屋佐吉(きねやさきち)(地歌としては湖出(こいで)市十郎)作曲。天明4年(1784)江戸中村座初演の歌舞伎狂言「大商蛭小島(おおあきないひるがこじま)」で、伊東祐親(いとうすけちか)の娘辰姫が恋しい頼朝政子に譲ったあと、ひとり髪をすきながら嫉妬(しっと)に身を焦がす場面に用いられた。
近松秋江の小説。大正11年(1922)発表。遊女に金を貢ぎ続ける男の妄執を描く。同年発表の続編に「狂乱」「霜凍る宵」がある。

こく‐はつ【黒髪】

黒い髪の毛。くろかみ。

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百科事典マイペディアの解説

黒髪【くろかみ】

長唄および地歌の曲名。長唄は,1784年江戸中村座で初演された《大商蛭子島(おおあきないひるがこじま)》に用いられた〈めりやす〉で,初世杵屋佐吉作曲(一説に初世湖出市十郎との合作とも)。

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世界大百科事典 第2版の解説

くろかみ【黒髪】

邦楽曲の曲名。(1)地歌 (a)繁太夫物《髪梳き》の別称。(b)湖出(こいで)市十郎作曲と伝えられる三下り端歌。鈴木万里が流行させ,また,津山検校が得意として,その歌い方を〈津山ぶし〉といった。(2)長唄 めりやす物。上記の市十郎が江戸に戻ったあとで,1784年(天明4)所演の《大商蛭子島(おおあきないひるがこじま)》二番目〈髪梳きの場〉の辰姫の所作の下座唄として,杵屋佐吉・新太郎の三味線で歌ったものが伝わる。

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大辞林 第三版の解説

くろかみ【黒髪】

黒くて光沢のある美しい頭髪。 「緑の-」

くろかみ【黒髪】

長唄の一。歌舞伎「大商蛭小島おおあきないひるがこじま」で、伊東祐親すけちかの娘辰姫が頼朝への恋を政子に譲り、髪を梳きながら嫉妬しつとに身を焦がす場面に用いためりやす。地歌にも類曲がある。

こくはつ【黒髪】

黒くつややかな髪。くろかみ。

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世界大百科事典内の黒髪の言及

【髪梳き】より

…これは,嫉妬に狂う女の髪はおのずと逆立つという中世以来の心意伝承を踏まえ,髪を梳くことによって嫉妬の激しい怒りを表現する技巧。《大商蛭子島(おおあきないひるがこじま)》の辰姫の髪梳きは,めりやす黒髪》を伴奏とすることで有名。《東海道四谷怪談》のお岩の髪梳きは,めりやす《瑠璃(るり)の艶(つや)》を伴奏に,これが一場の通称になるほど重要な演技局面である。…

※「黒髪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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