老女形(読み)ふけおやま

精選版 日本国語大辞典 「老女形」の意味・読み・例文・類語

ふけ‐おやま【老女形】

〘名〙
歌舞伎役柄の一つ。老女役、また、その役に扮する俳優
文楽人形の女の頭の一つ。中年の女性に用い、美しいそり跡をみせる青眉、お歯黒、情愛のある瞳を特徴とする。動きは悲しい時に目を閉じて眠り目の型をするだけ。塗色は白。「一谷嫩軍記」の相模、「伽羅先代萩」の政岡、「心中天の網島」のおさんなど。年増(としま)ともいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の老女形の言及

【人形浄瑠璃】より


[人形の首]
 人物の性別,老幼,性格,境遇などに応じて,男の首(かしら)には,老年に〈鬼一(きいち)〉をはじめ9種,中年には〈文七(ぶんしち)〉をはじめ20種,若者には〈源太(げんだ)〉をはじめ5種,あわせて34種がある。女の首は,老年に〈婆(ばば)〉をはじめ3種,中年に〈老女形(ふけおやま)〉をはじめ4種,若い女性には〈娘〉をはじめ7種,あわせて14種がある。このほか,〈景清〉〈丞相(しようじよう)〉などの,一役一首で他に流用されることがほとんどない特殊な首が6種,これに新作ものの首を加えると24種になる。…

※「老女形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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