老妓抄(読み)ロウギショウ

デジタル大辞泉 「老妓抄」の意味・読み・例文・類語

ろうぎしょう〔ラウギセウ〕【老妓抄】

岡本かの子短編小説。昭和13年(1938)「中央公論」誌に発表

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「老妓抄」の意味・わかりやすい解説

老妓抄
ろうぎしょう

岡本かの子の短編小説。1938年(昭和13)11月『中央公論』に発表。翌年3月、中央公論社刊の同名の短編集に収録老妓小そのは永年辛苦で一通りの財産もできたが、現状に安住せず新しい稽古(けいこ)事に励み、家には電化装置を施すなど、つねに好奇心に富み、強い生命力にあふれている。出入りの電気器具商の青年に目をかけ、有為な発明家として育てようとするが、彼は快適な生活を保障されたため逆に意欲を失い、彼女の期待にこたえかねて逃げ出しては連れ戻される。老妓は自分の夢を、青年の仕事への情熱に託そうとして果たしえない。

田中美代子

『『老妓抄』(新潮文庫)』

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