耳科用抗生物質(読み)ジカヨウコウセイブッシツ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「耳科用抗生物質」の解説

耳科用抗生物質

製品名
《セフメノキシム塩酸塩製剤》
ベストロン耳鼻科用(千寿製薬杏林製薬、あすか製薬、武田薬品工業)
《クロラムフェニコール製剤》
クロロマイセチン(第一三共)
《ホスホマイシン製剤》
ホスミシンS(Meiji Seika ファルマ)
《フラジオマイシン硫酸塩・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤》
リンデロンA(塩野義製薬

 中耳炎外耳炎の治療に用いられます。セフメノキシム塩酸塩製剤は、セフェム系抗生物質含有、ホスホマイシン製剤は、ホスホマイシン系抗生物質含有の耳科用液剤です。


 セフメノキシム塩酸塩製剤は、副鼻腔炎ふくびくうえんの治療にも用いられます。


 フラジオマイシン硫酸塩・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤は、副腎皮質ふくじんひしつホルモンも含んでおり、アレルギー性鼻炎耳鼻科の術後処置にも用いられます。


 外耳道に湿疹しっしん発赤ほっせき、かゆみなどの過敏症状がおこることがあります。フラジオマイシン硫酸塩・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤では、内耳障害がおこることがあります。このような症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に報告してください。


 そのほか、めまい頭痛呼吸困難などがおこることがあります。このような症状がおこったときは、必ず医師に相談してください。


①液剤は、1日1~数回、点耳します。点耳後は10分間横になり、脱脂綿などでふきとってください(ふつうは通院治療)。水溶性外用散は、生理食塩水などで溶かして、液剤として使用します。使用量・使用回数・使用期間は、医師・薬剤師指示を守ってください。


②過去に抗生物質で過敏症状をおこしたことのある人、ショック症状をおこしたことのある人、乳幼児小児は、この薬を使用できないことがあります。必ず医師にその旨を報告してください。


 フラジオマイシン硫酸塩・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤では、鼓膜穿孔こまくせんこうまたは中耳炎のある人には使用できません。


③あらかじめ問診の際に、持病アレルギー体質、現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。

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