アジアワタ(アジアメン)の種子の毛を脱脂、漂白したもの。脱脂綿の繊維の特徴としては、軟毛で弾力性に富んでいる、通気性があり、しかも空気中の雑菌の侵入を遮断する、水分の吸収力が強い、などがあげられる。したがって、脱脂綿は医療の場では欠かせない衛生材料の一つとされ、その用途は広い。製造される脱脂綿の純度の条件は、日本薬局方によって規定されている。なお、脱脂綿より純度の高いものに精製脱脂綿というのがあるが、これは前出のアジアワタの種子の毛を精選し、脱脂、漂白して精製したもので、脱脂綿と同様、日本薬局方によって規定されている。両者は、ともに消毒綿、綿球などとさまざまに使用されるが、注意すべきことは創傷に直接あててはならないということである。直接あてると細かい繊維が創面に付着して、それを取り除くことが困難であるうえ、創傷の治癒を妨げるからである。使用するときには、ガーゼの上から脱脂綿を置くようにするとよい。
[山根信子]
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…ナプキンは局部にあてて用いるもので,おもにパルプとレーヨンからつくられ,不織布の表面材,経血を吸収する吸収材,水分をはじいて外に漏れないようにする防漏(ぼうろう)材から成る。タンポンは腟内に挿入して経血を吸いとるもので,脱脂綿とレーヨンの綿状パルプを約4cmほどの筒状にし,細いひもをつけたもの。 月経時の手当てとしては,古くは草や木の皮をたたいて柔らかくしたものや,海綿のように吸収力のあるものをあてたり,挿入したりしていた。…
※「脱脂綿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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