脱脂綿(読み)ダッシメン

デジタル大辞泉 「脱脂綿」の意味・読み・例文・類語

だっし‐めん【脱脂綿】

原綿に含まれている不純物脂肪分を取り去って漂白・精製した綿。吸水性がよく、多く医療に使用

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精選版 日本国語大辞典 「脱脂綿」の意味・読み・例文・類語

だっし‐めん【脱脂綿】

  1. 〘 名詞 〙 もめん綿から脂肪分を取り除き、吸水性をもたせ、消毒した衛生用品。
    1. [初出の実例]「膿を拭ひ終れば、油薬を塗り、脱脂綿を掩ひ其上に油紙を掩ひ」(出典:明治卅三年十月十五日記事(1900)〈正岡子規〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「脱脂綿」の意味・わかりやすい解説

脱脂綿
だっしめん

アジアワタ(アジアメン)の種子の毛を脱脂、漂白したもの。脱脂綿の繊維の特徴としては、軟毛で弾力性に富んでいる、通気性があり、しかも空気中の雑菌侵入を遮断する、水分の吸収力が強い、などがあげられる。したがって、脱脂綿は医療の場では欠かせない衛生材料の一つとされ、その用途は広い。製造される脱脂綿の純度の条件は、日本薬局方によって規定されている。なお、脱脂綿より純度の高いものに精製脱脂綿というのがあるが、これは前出のアジアワタの種子の毛を精選し、脱脂、漂白して精製したもので、脱脂綿と同様、日本薬局方によって規定されている。両者は、ともに消毒綿、綿球などとさまざまに使用されるが、注意すべきことは創傷に直接あててはならないということである。直接あてると細かい繊維が創面に付着して、それを取り除くことが困難であるうえ、創傷の治癒を妨げるからである。使用するときには、ガーゼの上から脱脂綿を置くようにするとよい。

[山根信子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脱脂綿」の意味・わかりやすい解説

脱脂綿
だっしめん
absorbent cotton

精製綿ともいう。綿紡工場において,落綿中比較的に繊維の長いものを原料として精練漂白して消毒精製した綿。原綿をその重量の 0.5~0.7%のカセイソーダおよび1~5%のロート油を含む溶液につけ,密閉タンクの中で2気圧ほどの圧力をかけながら煮沸し,これを水洗い後,漂白粉の溶液で漂白し,その後,再び水洗いしたものを希硫酸水に通じて水洗いする。日本薬局方に規定する脱脂綿は,水を加え濡らしたものが試験紙を変色させず,脱脂綿1に対し 10の熱湯を加えて得た浸出液に硝酸銀溶液,硝酸バリウム溶液またはシュウ酸アンモニア液を加えても白濁しないものでなければならない。また水中に投じた場合,ただちに沈下するものでなければならない。おもに医療用として用いられる。

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百科事典マイペディア 「脱脂綿」の意味・わかりやすい解説

脱脂綿【だっしめん】

綿を苛性ソーダで煮沸し,脂肪,蝋その他の混合物を除去し,漂白,水洗,乾燥して製したもの。吸水性に富み,衛生材料として外科治療等に広く使用される。日本薬局方では脱脂綿および精製脱脂綿の2種を規定。

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世界大百科事典(旧版)内の脱脂綿の言及

【生理用品】より

…ナプキンは局部にあてて用いるもので,おもにパルプとレーヨンからつくられ,不織布の表面材,経血を吸収する吸収材,水分をはじいて外に漏れないようにする防漏(ぼうろう)材から成る。タンポンは腟内に挿入して経血を吸いとるもので,脱脂綿とレーヨンの綿状パルプを約4cmほどの筒状にし,細いひもをつけたもの。 月経時の手当てとしては,古くは草や木の皮をたたいて柔らかくしたものや,海綿のように吸収力のあるものをあてたり,挿入したりしていた。…

※「脱脂綿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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