耳遠(読み)みみどおい

精選版 日本国語大辞典 「耳遠」の意味・読み・例文・類語

みみ‐どお・い ‥どほい【耳遠】

〘形口〙 みみどほ・し 〘形ク〙
① 耳がよく聞こえない。聴覚が鈍い。
浮世草子好色一代女(1686)四「にし隣は七十あまりの姥(ばば)、然も耳遠し」
② 聞きなれない。あまり聞いたことがない。理解しにくい。
袋草紙(1157‐59頃)下「左いたくふるめきたれど、右いといとみみどほし」
③ (聞きなれない意から) 時代が離れている。時代が非常に古い
※夜の鶴(1278‐83頃か)「人の言葉も変る物なれば、耳遠く成りたらむことは、人丸赤人、躬恒、貫之よみたりとも、好みよむまじきやうにぞ承りし」
みみどお‐さ
〘名〙

みみっ‐とお ‥とほ【耳遠】

〘名〙 (「みみどお(耳遠)」の変化した語)
① (形動) 耳が遠いこと。耳がよく聞こえないさま。また、人の言うことをよく聞かないこと。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二(1762)礼二「骨をりも腰越切りのみみったふ」
子どもが人の耳もとにささやくように口を寄せ、ふいに「みみっとお」と大声に叫んで驚かす遊戯。また、耳もとで大声を出して驚かすこと。
洒落本・虚実情の夜桜(1800)宵の虚言「居ねむる禿は新造の耳っとうに、きもをつぶし」

みみ‐どお ‥どほ【耳遠】

〘名〙 (形動)
① 耳が遠いこと。耳がよく聞こえないこと。また、そのさま。みみっとお。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・誹讔三十棒(1771)「耳遠な老人の口上猿先生罷出」
② 聞き慣れないこと。耳慣れないこと。また、そのさま。
談義本・世間万病回春(1771)三「仏法聖教の耳遠(ミミトヲ)なるよりも内義の智恵を文珠ぼさつと尻にしかるる金持も多し」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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