聖牛崇拝(読み)せいぎゅうすうはい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聖牛崇拝」の意味・わかりやすい解説

聖牛崇拝
せいぎゅうすうはい

動物崇拝一種で,牛を神聖視し,崇拝する宗教的態度をいう。牛の飼育古代から始り,農耕に使役されたことから,農耕文化を形成したオリエント,インド,中国などで,聖牛崇拝の思想が発生した。古代インドのバラモン教聖典リグ・ベーダ』や『アタルバ・ベーダ』,インド最古の法典『マヌ法典』に,牛を尊重すべきこと,畜殺を禁じることが説かれているが,この信仰はさらにヒンドゥー教徒に引継がれ,現代にいたっている。日本にも,牛神信仰や牛供養などの行事は全国各地に存在する。京都広隆寺の牛祭り,大阪府和泉地方の牛神講などはその一例である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android