聖霊会(読み)しょうりょうえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「聖霊会」の意味・わかりやすい解説

聖霊会
しょうりょうえ

聖徳太子の忌日に行われる法会(ほうえ)。忌日は陰暦2月22日にあたるが、大阪の四天王寺では、現在は4月22日に行われており、俗に「御聖来(おしょうらい)」とよばれる六時堂前の石舞台での舞楽法要は、荘厳盛大なことでとくに有名である。獅子(しし)や菩薩(ぼさつ)などの古風な行道(ぎょうどう)、石舞台の荘厳(しょうごん)などの様式も学問的に興味深い。法隆寺では「お会式(えしき)」あるいは「御斎会(ごさいえ)」ともいい、3月22日から24日にかけて行われている。両寺の法会がとくに有名であるが、ほかにも京都太秦(うずまさ)の広隆寺(8月22日)、六角堂(頂法寺。陰暦2月22日)などでも「太子祭(さい)」と称して行われ、在俗の聖徳太子奉讃(ほうさん)会(4月11日)でも行われる。50年に一度の遠忌(おんき)には、とくに盛大な法要が行われる。

[中尾良信]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の聖霊会の言及

【行道面】より

…法要の形式が最も整った11~12世紀には,諸仏諸堂の落慶(らつけい)供養会や諸寺の舎利会,来迎(らいごう)会(迎講(むかえこう))などに,師子(しし)(獅子頭),師子子(ししこ)(蠅払),(くちとり)(口取,綱引),八部衆(輿舁(こしかき)),十二天,二十八部衆,菩薩,天童などの種類の面が用いられた。現在も行われる奈良法隆寺や大阪四天王寺の聖霊会には師子,師子子,の一群と八部衆が出,奈良当麻寺や東京浄真寺の来迎会には25の菩薩の面が用いられる。来迎会の形式によっては地蔵,竜樹という僧形の面や阿弥陀如来の面,持幡先導役の天童面なども使用する。…

【四天王寺】より

…寺外は繁華街として変貌したが,寺域,伽藍配置はほとんど変動せず,同じ位置に再建され,造営時の配置を知るうえで貴重な存在である。法会,行事は,正月の修正会(どやどや),太子を祖とする大工の祭りである手斧始(ちようなはじめ),4月22日太子忌日に六時堂前の石舞台で舞楽を奏する聖霊会(しようりようえ),6月30日愛染まつり,8月9日千日詣など,大阪市民の年中行事として親しまれている。とくに春秋の彼岸と8月の盂蘭盆(うらぼん)には近畿一円からの参詣者が境内を埋めつくし,経木をもち,亀の井で水を手向けて供養し,諸堂の読経と線香の煙と引導鐘の音が絶えることなく終日にぎわう。…

【祖師忌】より

…和国の教主といわれる聖徳太子の忌日(2月22日。現行では法隆寺が3月22~24日,四天王寺は5月22日)の法要は聖霊会(しようりようえ)とよび,真言宗の開祖空海の忌日(3月21日)には御影供(みえく)が営まれる。浄土宗開祖法然の場合(1月25日。…

※「聖霊会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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