聴講制度(読み)ちょうこうせいど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「聴講制度」の意味・わかりやすい解説

聴講制度
ちょうこうせいど

大学または他の高等教育機関において、学位取得ないしは卒業を目的としないで、特定学科目を選んで聴講する学生(聴講生)を受け入れる制度をいう。各大学の学部、学科、研究科ないしは機関が、他の学生の学習に支障のない場合に限り、また本人が正規の学生と同等またはそれ以上の学力をもち、また相当額の聴講料を納めることを条件に、聴講を許可する。わが国では、学校教育法、大学設置基準などにその明確な規定はなく、教育職員免許法施行規則などで聴講生の課程も大学の課程として扱うことを規定しているにすぎない。各大学は、聴講生の資格、入学料、聴講料、諸手続、単位認定の有無などについて規定し、また近年単位互換制度発展とともに、特別聴講生の受入れの規定も設けている。アメリカでは、聴講生をspecial studentとよび、外国人聴講生を含み、聴講する大学での学位取得ないしは卒業を目的としない暫定的な学生をさす。

[金子忠史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android