短期大学、四年制大学や大学院が、相互に、他の同じまたは異なったレベルの他大学の学生の聴講を認め、学生が教育・研究上の必要から在学校以外の大学の授業に出席し、所定の試験に合格すれば、その結果を在学校における単位として認定する制度。委託聴講制度ともよばれた。これは、ヨーロッパの中世大学の学問の自由の理念、ことに転学の自由にその起源を求めることができるが、制度的には、欧米諸国を中心に大学間の委託聴講制度として発足し、単位制度の発達とともに、英米および日本において、単位互換制度として発展した。とくにアメリカでは、19世紀後半以降、大学間の自発的な連携組織であるコンソーシアムが結成され、1977年に1000組以上が存在し、単位の互換のみならず、教員・学生の交流、施設設備の共同利用などを推進した。
日本では1965年(昭和40)、上智(じょうち)大学、青山学院大学など六つの私立大学間の英文学科大学院の委託聴講制度を始め、多くの複数の大学間での単位互換へと発展した。現在の大学設置基準では、四年制大学60単位、三年制46単位(卒業の要件として62単位以上を修得することとする短期大学は30単位)、二年制30単位までの単位互換が承認され、海外留学にも適用されている。
[金子忠史]
『高木幸道著『改革の原点――私立大学人のあるべき姿を問う』(2002・アカリFCB・万来舎)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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