肝魂(読み)キモダマシイ

デジタル大辞泉 「肝魂」の意味・読み・例文・類語

きも‐だましい〔‐だましひ〕【肝魂】

《「きもたましい」とも》
胆力気力。きもだま。
貴嬢方あなたがた御婦人にむかうと―が縮んで」〈魯庵社会百面相
心。
「―も身にそはず、あきれたるさまにて」〈平家・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「肝魂」の意味・読み・例文・類語

きも‐だま【肝魂・肝玉】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「きもたま」とも )
  2. 肝と魂。また、胆力。気力。きもったま。きもだましい。
    1. [初出の実例]「散さくら同じ宗旨を誓ひける〈其角〉 藤は退之が肝魂(キモダマ)を奪(ばふ)〈一晶〉」(出典:俳諧・虚栗(1683)上)
    2. 「どこが現銀掛直なしぢゃやら、肝玉(キモタマ)のちいさいくせに何で腹があらうぞい」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)初)
  3. ( 形動 ) 大胆なこと。物に動じないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「肝玉な使者なむなむと酒を受」(出典:雑俳・若の浦(1805))

きも‐だましい‥だましひ【肝魂】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「きもたましい」とも )
  2. 肝と魂。転じて、心。
    1. [初出の実例]「見る人聞くもの肝たましゐを痛ましめずといふ事無し」(出典:高野本平家(13C前)九)
  3. しっかりした心。胆力。気力。正気。きもだま。
    1. [初出の実例]「かかる中に、いづくに肝魂ありて案じつづけけるにか」(出典:古今著聞集(1254)一二)

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