(読み)コウ

精選版 日本国語大辞典 「肯」の意味・読み・例文・類語

うけ‐がえ‥がへ【肯】

  1. 〘 名詞 〙 よいと認めること。肯定すること。承諾すること。
    1. [初出の実例]「肯 ウケカヘ」(出典:色葉字類抄(1177‐81))

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普及版 字通 「肯」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(異体字)
6画

[字音] コウ
[字訓] あえて・うべなう

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
正字はに作り、上部は骨。骨に肉が密着している形。〔説文〕四下に「骨として(つ)くなり」とし、また「一に曰く、骨に無きなり」という。肯の字形金文の楚王肯(あんこう)の諸器にみえ、止の部分は腱肉、いわゆる肯(こうけい)にあたるところを示す。〔書、大誥〕に「考(ちち)室を作らんとしてに法を(いた)し、厥(そ)の子乃ち肯て堂つくらず、矧(いは)んや肯てせんや」のように、古くから「肯て」の用法があり、それより肯可・肯定の意となった。

[訓義]
1. 骨のついた肉、腱の部分。
2. 肉が緊密に著く意より、しいて、あながち、あえて。
3. うべなう、ゆるす、きく、したがう。

[古辞書の訓]
名義抄〕肯 アヘテ・アフ・ウケガヘ・ムベナフ・タヘナリ・キク・カヌ/不肯 ガヘス・イナブ・ウケガヘニセズ 〔字鏡集〕肯 ホネノアヒダノシシ・アヘ・キク・アヒ・タヘタリ・ユヱナク・カヘン・アフ・ウチカヘス・アヘテ・ヘシ

[熟語]
肯依・肯為肯允・肯可肯確肯許・肯肯顧肯首・肯心肯諾・肯定肯認肯保
[下接語]
肯・首肯

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