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背負い梯子 せおいばしご

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

背負い梯子
せおいばしご

背負い運搬具の一種。ショイバシゴ、ショイコ、オイコ、セイタ、ヤセウマなどと呼称は多い。よくみかける形態のものは、縦に長い木の枠に背負い用の縄を取り付け、荷物を支えるため背中に当たる部分に何重にも縄を巻き付けた構造となっている。木の枠は、縦の太い枠材にあけた上下のほぞ穴に横材を通して仕上げられたものが多いものの、そのほかに自然木の又を取り込んでつくられたものもある。また、通常は、縦の枠材は単調に棒状であるが、その下部または中ほどの下に、ツメ、ウデギなどとよばれる支えをつけたり、同様の目的のために自然木の又を利用したりしたものも、少なからず分布する。支えのあるものは、朝鮮のチゲとよばれる背負い梯子と関係があるらしく、チョウセンセイタの特称を伝承している所がある。使用の実際では、米俵、炭俵などのほか、結束した薪(たきぎ)材やかますに入れた雑穀、いも類などを運ぶのに広く用いられてきた。荷をつけ、背をやや前方に傾けて歩行する必要から、荷全体の重心が背負い梯子と背中の接触面よりやや上部にくるよう配慮される。そのため、荷をつける際には、じょうぶな綱で荷物を固く締める必要があったし、歩行中に荷崩れがしないよう留意した。平坦(へいたん)地では木の枠が長く、傾斜の多い山地ではその短いものが使われる傾向が顕著であるが、荷をつける方法にくふうを凝らし、多くの荷を背負いだそうとした例もある。背負い梯子を利用し、荷を長距離間運ぶのに不可欠だったのは歩行や休憩に用いられた荷杖(にづえ)である。歩行のとき両足と荷杖の3点で荷の重さを支えるのは合理的であり、また休憩から起き上がるのにも労力が省けたからである。木枠下部の横木にくぼみのあるのは、その部分に二またになった荷杖を入れて荷を支えた痕跡(こんせき)なのである。[天野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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