胸膜炎・膿胸

内科学 第10版の解説

胸膜炎・膿胸(感染症)

【詳細は⇨7-14参照】
定義・概念
 胸腔内の炎症により胸水貯留をきたした状態が胸膜炎(pleuritis,pleurisy)である.このうち膿性の胸水が貯留した状態を膿胸(pyo­thorax,thoracic empyema)とよぶ.多くは肺炎に続発して発症する(肺炎随伴性胸水:parapneumonic effusion).
原因微生物
 細菌性胸膜炎,膿胸の原因菌は,先行する肺炎によるが,嫌気性菌,口腔内常在連鎖球菌,黄色ブドウ球菌などが多く認められる.
臨床症状
 細菌性胸膜炎では,肺炎症状が先行して,その後に胸水貯留に伴い,胸痛が出現する.胸水が大量に貯留すると,呼吸困難を呈する.打診では,患側は濁音となり,肺胞呼吸音,声音振盪が減弱する.
検査成績・診断
1)胸部X線検査:
中等量以上の胸水貯留では,胸部単純X線で容易に診断できる.少量の場合,側臥位撮影が有用である.複雑性肺炎随伴性胸水や膿胸はしばしば被包化して認められ,部位・程度の把握には胸部CTが有用である.
2)胸水穿刺検査:
性状(色調,粘稠度,臭いなど)を確認し,白血球数・分画,細菌学的検査,細胞診,一般生化学検査を施行する.細菌性胸膜炎,結核性胸膜炎の胸水は通常,滲出性胸水である.嫌気性菌感染では悪臭を呈する.
治療・経過
 肺炎に準拠した抗菌薬治療を行う.複雑性肺炎随伴胸水,急性膿胸例でpH<7.20の場合はドレーンによる排液・排膿が必要となる.被包化された胸水や線維素析出の強い例では,ストレプトキナーゼやウロキナーゼを用いた線維素溶解療法による肺の膨張促進が必要なことがある.内科的治療が奏効しない例で手術も行われる.[石田 直]
■文献
Colice GL, Curtis A, et al: Medical and surgical treatment of parapneumonic effusions: an evidence-based guideline. Chest, 118: 1158-1171, 2000.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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