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胸膜炎 きょうまくえん pleurisy

翻訳|pleurisy

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

胸膜炎
きょうまくえん
pleurisy

胸膜の炎症性疾患の総称で,肋膜炎ともいう。原因は,結核と肺炎から続発する一般細菌性のものがほとんどで,そのほかウイルス感染症,肺膿瘍,悪性腫瘍などが原因になる。滲出性胸膜炎 (滲出液のたまるもの) ,膿胸 (膿がたまるもの) ,乾性胸膜炎 (滲出液のないもの) に分類される。

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デジタル大辞泉の解説

きょうまく‐えん【胸膜炎】

胸膜の炎症。結核肺炎インフルエンザ癌(がん)などでみられ、胸痛・呼吸困難・咳(せき)・発熱などの症状がある。胸膜腔に滲出液(しんしゅつえき)がたまる湿性肋膜炎と、たまらない乾性肋膜炎に分けられる。肋膜炎。

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百科事典マイペディアの解説

胸膜炎【きょうまくえん】

肋(ろく)膜炎とも。胸膜の炎症の総称で,液体の貯留する湿性胸膜炎と,貯留のない乾性胸膜炎があるが,前者が多い。結核,肺炎,悪性腫瘍(しゅよう)等の原因で起こり,各疾患に特徴ある貯留液(胸水)を伴う。
→関連項目癌性胸膜炎胸膜全身性エリテマトーデス肋間神経痛

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家庭医学館の解説

きょうまくえん【胸膜炎 Pleurisy】

[どんな病気か]
 胸膜に炎症がおこり、内・外側の二重になった胸膜のすき間(胸膜腔(きょうまくくう))に水(胸水(きょうすい))がたまってきた状態が、胸膜炎です。
 中等量以上に胸水がたまると、胸部の圧迫感や息切れが現われます。胸痛(きょうつう)は胸膜炎の初期にみられることが多いのですが、胸水がたまるとともに胸痛はむしろ軽くなります。胸痛は深呼吸やせきによって悪化します。
[検査と診断]
 聴診器で呼吸音が聞き取りにくく、胸を打診(だしん)しても健康な人のような澄んだ音がしませんが、体位を変えると、これらの音が変わってくることが大きな特色です。
 少量の胸水の検出には、胸部X線写真が役立ちます。また、胸部CT検査は、X線写真ではとらえにくい肺内の病像や少量の胸水を検出するのに有用です。超音波検査は少量の胸水を確認したり、排出するためのカテーテルチューブなどを肺に入れる場所を決めるときに役立ちます。
 胸水がみられたときに、もっとも重要な検査は胸水の採取です。胸水の性状、含まれる糖の値、細菌の有無、細胞の種類や数などを調べるためです。
[治療]
 日本では肺炎とわかると早くから抗生物質が使われるためか、肺炎にともなう胸水をみる機会は、それほど多くありません。しかし、肺炎に対する適切な治療が遅れると、膿胸(のうきょう)(「膿胸」)になることもあるので、注意が必要です。
 結核性胸膜炎(けっかくせいきょうまくえん)は、まだかなりみられる病気で、胸水をみたときには、かならず考える必要があります。胸膜のすぐ内側の結核病巣が胸膜腔へと広がると、胸膜炎をおこして胸水がたまります。この場合には、抗結核薬による治療が行なわれます。
 また、がんにともなう胸水としては、肺がん乳がんなどが胸膜に転移したがん性胸膜炎によるものが多くみられます。抗がん剤による化学療法は無効であることが多いため、症状をとる対症療法が主体になります。胸水を排除すると、息切れは軽くなりますが、胸水は再びたまります。それを防ぐには胸膜を癒着(ゆちゃく)させます。胸水を抜いた後に、種々の薬剤を胸膜腔中に入れ、人工的に胸膜炎をおこし、胸膜腔の閉鎖を行ないます。
 全身性エリテマトーデスは、胸膜炎を合併しやすいことが知られています。これには、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンステロイド薬)が効きます。

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうまくえん【胸膜炎 pleurisy】

胸膜に起こる炎症で,肋膜炎ともよばれ,胸膜腔内に滲出液(胸水)が貯留する。滲出液が膿性の場合には膿胸(または化膿性胸膜炎),血性の場合には血性胸膜炎とよばれる。なお,外傷や大動脈瘤破裂などにより胸膜腔内に血液が貯留するものは,とくに血胸とよばれる。
[原因]
 胸膜炎の原因はいろいろあるが,最も多いのは結核性胸膜炎,癌性胸膜炎であり,近年後者が増加している。そのほか,肺炎,肺化膿症,心膜炎,肺梗塞(こうそく)や,慢性関節リウマチ全身性紅斑性狼瘡(ろうそう),皮膚筋炎などの膠原(こうげん)病でも胸膜炎を起こすことがある。

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大辞林 第三版の解説

きょうまくえん【胸膜炎】

胸膜の炎症。一般に、発熱・咳せき、吸気時に強くなる胸痛などの症状をみる。胸膜腔に滲出液しんしゆつえきがたまる湿性胸膜炎と滲出液をみない乾性胸膜炎がある。肋膜ろくまく炎。

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知恵蔵miniの解説

胸膜炎

肺を包んでいる膜(胸膜)が炎症を起こす病気。多くの場合、肺と胸膜の間に水が溜まり胸水という病態をとる。かつては肋膜炎(ろくまくえん)と呼ばれた。原因としては、細菌感染と悪性腫瘍が主であり、その他の原因疾患として膠原病(こうげんびょう)、肺梗塞、石綿肺、低蛋白血症などがある。特に、細菌感染によるものを細菌性胸膜炎、結核菌によるものを結核性胸膜炎、悪性腫瘍によるものを癌性胸膜炎と呼ぶ。背中の痛み、胸の痛みに始まることが多く、この場合、咳や深呼吸で痛みが強まる。感染症性の場合、発熱を伴い、胸水が増えてくると呼吸困難を生じる。治療は、それぞれ原因となる病気(細菌感染、結核、癌など)に対処するとともに、胸水を体外に排出する胸腔ドレナージ行われることもある。

(2014-6-3)

出典|(株)朝日新聞出版発行
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

胸膜炎
きょうまくえん

胸膜の炎症で、かつては肋膜(ろくまく)炎とよばれていた。外傷や腫瘍(しゅよう)などによっておこるもの、周辺の組織の疾患に続発するもの、遠隔臓器の疾患によっておこるものなどがあるが、もっとも多いのは肺炎、結核、インフルエンザによるものである。炎症の結果生ずる胸水を滲出(しんしゅつ)液といい、心臓や肝臓や腎臓(じんぞう)などの疾患の結果生ずる胸水は漏出液という。胸膜炎の症状は側胸痛、とくに深吸気時の疼痛(とうつう)、軽度の呼吸困難、咳(せき)、発熱などである。胸水が急速に多量貯留する場合は著明な呼吸困難、チアノーゼ、不安感を伴う。炎症の初期または治療期に滲出液がなく、胸膜の表面に線維素性滲出物が存在する状態を乾性胸膜炎という。これは急性肺炎によるものがほとんどであり、このとき聴診すれば摩擦音が聞かれる。滲出性の胸水で膿(のう)性の場合を膿胸という。
 滲出性胸膜炎では、打診上、エリス‐ダモアソーEllis-Damoiseau曲線、ガーランドGarland三角など、脊柱(せきちゅう)より外方に向かう特定部位に特有の濁音があり、聴診上は呼吸音が減弱または消失する。診断には、胸部X線写真、胸水の性状の検査、細菌学的検査、胸膜生検、胸部以外の疾患に対する検索などが必要である。治療には安静がたいせつで、安静によって軽快する場合が多い。原因療法が必要で、感染の場合は抗生物質が有効であり、心不全のときは強心剤、癌(がん)性胸膜炎では放射線、抗癌剤、免疫療法などを使用する。胸水による呼吸困難があるときは穿刺(せんし)排液する。経過は基礎疾患にもよるが、一般に1、2か月で治癒する。[山口智道]

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世界大百科事典内の胸膜炎の言及

【胸水】より

…また,卵巣繊維腫などの骨盤内腫瘍で漏出性胸水を伴うことがあり,メイグス症候群Meigs syndromeとよばれる。滲出液は種々の胸膜炎膿胸においてみられる胸水で,その原因によって外観は黄色透明~混濁,膿性,血性などさまざまであるが,一般に比重は1.018以上,タンパク質含有量3.0g/dl以上と,漏出液に比べ,高比重,高タンパク質であり,細胞成分も多い。その他,胸水にリンパ液が混じり,脂肪分の多い特有のミルク色を呈することがあり,乳糜(にゆうび)胸水とよばれる。…

【胸膜】より

…胸膜に炎症が起こったり,心不全などの場合には,胸膜腔に大量の水がたまる(胸水)。胸膜炎のあと,2枚の胸膜が癒着したりすると,肺の伸縮運動がうまく行えなくなるため,肺活量の減少が起こる。また,なんらかの原因で肺側の胸膜が破れると,肺内の空気は胸膜腔に流れ込み,肺は縮小する(気胸)。…

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