朝日日本歴史人物事典 「能勢栄」の解説
能勢栄
生年:嘉永5(1852)
明治期の著名な教育学者,教育行政官。旧幕臣,明治3(1870)年に大阪より渡米して米国オレゴン州ポートランド近傍の私立パシフィク大学理学部を卒業,理学士・文学修士。同9年帰国したのち,岡山師範および中学校教頭,学習院教諭,長野および福島県師範学校長を歴任,1889年のパリ万博において長野・福島両師範学校は金賞を授与される。明治19年森有礼文相の要請により,文部省書記官,視学官,東京高等女学校(お茶大付属高校)校長などを歴任。近代的な『教育学』『学校管理術』,宗教色を排した『倫理学初歩』『実践道徳学』などを著したほか,アガシーやコンペーレなどを翻訳した。
(中川隆)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報