筋肉の随意運動に関係する神経系統が選択的に侵される原因不明の疾患は運動ニューロン疾患として総括されるが、そのうち、とくに脊髄の前角細胞から骨格筋の運動終板に至る下位運動ニューロンが選択的に障害される病気が脊髄性進行性筋萎縮症である。脊髄の前角細胞の変性脱落がみられ、症状としては筋力低下と筋萎縮が徐々に上肢ときには下肢の末梢(まっしょう)に現れ、筋肉がぴくぴく収縮する線維束性れん縮がみられる。通常、30~50歳に好発し、男性に多い傾向がみられる。
なお、脊髄性進行性筋萎縮症はかなりまれな病気であり、しかも筋萎縮性側索硬化症と区別がむずかしい場合があるので、一つの独立した病気とは認められないという考え方もある。この病気の存在を認めない立場では、筋萎縮性側索硬化症とあわせて運動ニューロン疾患としたり筋萎縮性側索硬化症のなかに含めたりする。典型的な脊髄性進行性筋萎縮症では病気の進行は緩やかで、数年あるいは10年以上、ときに20年に及ぶ経過を示すものもあるのに対し、筋萎縮性側索硬化症では病気の進行が速く、3~4年で死亡することが多い。
[海老原進一郎]
…随意運動を営む骨格筋を支配する脊髄前角および脳幹の脳神経運動核の下位運動ニューロンと大脳皮質運動野からこれらのニューロンに支配を及ぼす皮質脊髄路(錐体路)や皮質核路の起始をなす上位運動ニューロン(ベッツ巨大錐体細胞)が選択的に変性され,しだいにその数を減じていく原因不明の疾患の総称。この中には種々の異なった疾患が含まれるが,そのうち頻度の高いものは筋萎縮性側索硬化症と脊髄性進行性筋萎縮症である。
[筋萎縮性側索硬化症amyotrophic lateral sclerosis(ALS)]
難病の一つ。…
※「脊髄性進行性筋萎縮症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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