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腟欠損(読み)ちつけっそん(その他表記)Vaginal agenesis

六訂版 家庭医学大全科 「腟欠損」の解説

腟欠損
ちつけっそん
Vaginal agenesis
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か目次を見る

 先天的に腟の一部または全部が欠損するもので、上部腟欠損、下部腟欠損、全腟欠損に分類されます。頻度は4000~5000人に1人とされ、そのうち95%は月経を起こしうる機能性子宮を持ちません。

 全腟欠損で機能性子宮をもたない場合をロキタンスキー・キュストナー・ハウザー症候群と呼び、腟欠損のなかで最も頻度が高いものです。

症状の現れ方目次を見る

 腟欠損で機能性子宮をもつ場合には、思春期以後、月経に伴って子宮や卵管への月経血貯留を来すため、月経血をみないまま周期的な腹痛を来す月経モリミナという症状が現れます。また、機能性子宮の有無にかかわらず、性交渉の障害を来します。

治療の方法目次を見る

 治療は手術療法しかなく、従来各種の術式が行われてきました。

 主な術式は、フランク法(腟前庭(ぜんてい)をヘガールなどで圧伸して腟腔(ちつくう)を形成したのち、その腟腔を拡張する方法)、マッキンドー法(観血的に腟腔を形成したのち、皮膚移植により腟壁(ちつへき)を形成する方法)、ダビドフ法(観血的に腟腔を形成したのち、骨盤腹膜を利用して腟壁を形成する方法)、ルーゲ法(観血的に腟腔を形成したのち、開腹してS状結腸を切り離し、腟管として利用する方法)があります。

 また、近年、腹腔鏡下手術進歩により、より体への負担が少ない(低侵襲)、骨盤腹膜やS状結腸を利用した造腟術も可能になっています。

 いずれの術式を選択しても、造腟術後に腟管の状態を維持するためには、定期的な性交渉あるいはプロテーゼ筒状の拡張器具)による自己管理が必要となるため、性交渉を目的とする場合には、手術を行う時期としては性交渉のパートナーが現れてからが好ましいといえます。

百枝 幹雄

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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