六訂版 家庭医学大全科 「膝蓋骨骨折」の解説
膝蓋骨骨折
しつがいこつこっせつ
Patella fracture
(外傷)
どんな外傷か
膝の外傷のなかで比較的よくみられる骨折です。膝蓋骨は
原因は何か
転倒や交通事故で膝の前面を直接ぶつける(
症状の現れ方
強い痛みと膝関節の
検査と診断
診断は、外傷を受けた時の状況や症状およびX線検査で比較的容易にできます。診断として難しいのは、まれにみられる
膝蓋骨骨軟骨骨折は若年の女性に多い膝蓋骨脱臼に伴うもので、膝蓋骨の内側に小さな骨片がみられます。スリーブ骨折は10歳前後の子どもに多い膝蓋骨下端の
骨折と紛らわしいものに
治療の方法
骨片の離開のない場合は手術は不要で、保存的にギプスによる外固定を3~5週間行います。
介達外力で骨片が上下に離開した横骨折では、手術的にキルシュナー鋼線とワイヤーで固定します。術後はギプス固定は不要で、早期に膝のリハビリテーションを開始します。
直達外力で膝蓋骨前面の皮膚が破れて開放性骨折となった場合は、緊急手術で感染に対する処置が必要になります。
治療成績は、単純な骨折では比較的良好です。しかし、開放性骨折や骨片がバラバラに粉砕された骨折、大腿骨下端や
中川 研二
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報