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膵臓癌 すいぞうがんcancer of the pancreas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

膵臓癌
すいぞうがん
cancer of the pancreas

膵臓にできる癌。最も発生しやすいところはその頭部で,原発癌が多く,「痛みの王者」といわれる独特の疼痛で発見されることが多い。硬性癌が多く,組織学的には大部分腺癌である。

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大辞林 第三版の解説

すいぞうがん【膵臓癌】

膵臓にできる原発性の癌腫。黄疸・体重減少・上腹部や腰背部の疼痛がみられる。膵癌。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

膵臓癌
すいぞうがん
pancreatic cancer

膵臓に発生する癌で、膵癌ともいう。膵癌には外分泌組織(腺房細胞・導管部)と内分泌組織(膵島)に由来するものがあるが、大部分は外分泌組織の膵管上皮から発生する。ここでは膵管癌を中心に述べる。
 膵癌の発生頻度は世界的に増加傾向にあり、日本でも年間1万数千人が罹患(りかん)している。男性がやや多く、年齢分布は60歳代が40%、50~80歳までに80%以上が発生している。発生部位は、約3分の2は膵頭部から発生する。症状としては上腹部痛、背部痛がかなりの頻度でおこる。膵頭部では黄疸(おうだん)が初発症状のことが少なくない。黄疸が強くなると、無痛性の腫大(しゅだい)した胆嚢(たんのう)を触知するクールボアジェCourvoisier徴候がみられることもある。このほか、体重減少、食欲不振、腫瘤(しゅりゅう)を触知することも多い。膵体尾部癌では、心窩(しんか)部(上腹部、みぞおち)の鈍痛を訴え、その後左上腹部痛、背部痛をきたす。腫瘍が大きくなると十二指腸の閉塞症状や消化管出血をきたすこともまれではない。糖尿病を合併することが多い。[中山和道]

診断

進行例は、症状、超音波検査、CT、MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影法)、直接胆道造影などにより容易である。早期例の発見のためには上腹部不定愁訴のある患者をたんねんに画像診断により検索することがたいせつであるが、その発見は容易ではない。腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)、膵癌関連抗原(DUPAN2)などを用いた測定値は進行癌では上昇するが、早期診断での有用性はきわめて低い。そのほか血管造影、低緊張性十二指腸造影なども診断に利用される。閉塞性黄疸例とくに発熱を伴うときは経皮経肝胆道ドレナージや内視鏡的逆行性胆道ドレナージにより減黄後に手術を行うと、合併症が少なくなる。[中山和道]

治療

外科的治療が唯一の根治的治療であり、膵頭部癌では膵周囲のリンパ節を含めて切除する膵頭十二指腸切除術が行われる。切除不能例に対しては、黄疸がみられる場合には胆管空腸吻合(ふんごう)術などの胆道バイパス手術が行われる。また、胆道閉塞部へのステント留置も行われている。膵体尾部癌に対しては、膵体尾部切除術とリンパ節郭清(かくせい)が行われる。膵全摘術も行われているが、根治的な適応となる症例は少ない。膵癌には術前の肝転移に対する抗癌剤投与、適切な根治切除、術中放射線照射、術後抗癌療法などを加味した集中的治療が必要である。予後は、消化器癌のなかでももっとも不良である。[中山和道]

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世界大百科事典内の膵臓癌の言及

【膵癌】より

…膵臓癌ともいう。膵臓に発生する悪性腫瘍。…

※「膵臓癌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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