臨界ミセル濃度(読み)りんかいミセルのうど(英語表記)critical micelle concentration

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臨界ミセル濃度」の意味・わかりやすい解説

臨界ミセル濃度
りんかいミセルのうど
critical micelle concentration

界面活性剤は一定濃度以下では分子または電離したイオンとして溶解しているが,特定の濃度以上では,それらが会合してミセルを形成し,コロイド溶液としての性質を示すようになる。このミセル形成に必要な最小濃度を臨界ミセル濃度という。 cmc略記する場合がある。多くの界面活性剤ではこの値は 0.1~0.001mol/l であり,この濃度を境として表面張力電気伝導度などに大きな差が現れる。硫酸ナトリウムリン酸ナトリウムなどの中性塩を加えると臨界ミセル濃度が小さくなる。これをビルダー効果と呼んでいる。

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