最新 地学事典 「臨界制動」の解説
りんかいせいどう
臨界制動
critical damping
固有周期2π/nをもつ振子が流体抵抗2εẋを受けて自由振動をする場合,この振子の変位ẋに関する式はẍ+2εẋ+n2x=0であるが,A1, A2をいずれもある初期条件で決まる定数とすれば,この解は次の三つの場合でそれぞれ違った形になる。1)ε<nの場合,x=e-εt(A1cos
t+A2sin
t)で減衰振動(damping oscil-lation)をする。xの相次ぐ山,谷の片振幅値は一定の比,
,h=ε/n(減衰係数)で減っていく。この比をvと書き,減衰比または減衰度(damping ratio)と呼ぶ。vの常用対数値が対数減衰率(logarithmic decrement)。2)ε>nではx=A1e-α1t+A2e-α2t, α1=ε+
, α2=ε-
。ε>nだから,α1,α2ともに実数となり,xは振動せずに指数関数的に減るだけ。3)ε=nのときはx=(A1+A2t)e-ntでこれも振動しない。結局1)のε<nのときだけ振子は減衰振動をする。つまりε=nは,振子が振動するかしないかの境界条件で,h=1に相当する。この大きさの減衰を臨界減衰または臨界制振ともいう。h>1ならば過減衰である。参考文献:萩原尊礼(1957) 振動測定,宝文館
執筆者:三東 哲夫
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

