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臨界現象 りんかいげんしょうcritical phenomenon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

臨界現象
りんかいげんしょう
critical phenomenon

相転移点の近傍で見出される異常現象の総称。気相-液相転移に伴う蛋白光現象,固相-液相転移に伴う両相の密度差のゆらぎ強磁性体磁化率キュリー点近傍における異常増加などはすべて相転移点から十分離れた領域ではみられない現象である。これは秩序変数のゆらぎが相転移点の近傍で異常に増大することに起因する。個々の臨界現象は物質により,また相転移の性質により異なった様相を示すが,共通な本質的要素をもつことを突止め,普遍的な形式でまとめることに成功している。このなかに現れる普遍的な定数の1つに臨界指数がある。臨界点の近くで,たとえば磁化率 χ が χ∝(TTc)-r という形で与えられると,この定数 r が相互作用の距離,次元のみに依存し,物質に依存しないことがわかっている。 Tcキュリー温度である。

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デジタル大辞泉の解説

りんかい‐げんしょう〔‐ゲンシヤウ〕【臨界現象】

物質が臨界点の近傍で、比熱・磁化率などに異常性を示すようになる現象。

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世界大百科事典 第2版の解説

りんかいげんしょう【臨界現象 critical phenomena】

一般に二次相転移点近傍でゆらぎが非常に大きくなり,物理量に異常性が現れる現象をいう。例えば気相‐液相の臨界点では,密度が不安定になって密度の大きなゆらぎが現れ,その結果,光の散乱が異常に大きくなる。これは臨界散乱と呼ばれている。4Heの液体である液体ヘリウム4が超流動状態になるときには,エネルギー密度に大きなゆらぎが現れ,比熱が対数的に発散することが実験的に知られている。さらに強磁性体では,磁化率がキュリー点で発散する。

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大辞林 第三版の解説

りんかいげんしょう【臨界現象】

相転移の臨界点の近傍で、ある種の物理量が異常性を示す現象。一般に比熱が異常性を示すほか、例えば強磁性-常磁性の転移では磁化率などにも異常性が現れる。

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世界大百科事典内の臨界現象の言及

【気体】より

… 臨界点の近傍では,さまざまな物理量はそれ固有の異常性を示す。この現象を臨界現象という。例えば,TTCの場合,臨界点の近くで,上述のVGVLに対して, VGVL∝(TCT)βの関係が成り立つ。…

※「臨界現象」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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