自然放射能(読み)シゼンホウシャノウ(その他表記)natural radioactivity

最新 地学事典 「自然放射能」の解説

しぜんほうしゃのう
自然放射能

natural radioactivity

自然環境中に存在する放射性元素(天然放射性元素)によって放射線が放出される性質放射能)。その物質を構成する原子核の状態の変化(放射性崩壊)によってエネルギーが放出されるので,放射能は放射性核種と放出される放射線の種類によって決まる。放射能の量は,ふつうは単位時間に崩壊する粒子の数(dps)で表され,単位にはキュリー(Ci;1Ci=3.7×1010dps)が使われてきたが,現在ではベクレル(Bq)が使われている(1Bq=27.0pCi)。天然放射能は,岩石土壌地表水・大気中等の40K,ウラン系列トリウム系列からの放射線や宇宙線等による。天然放射性元素による放射能は,地質環境条件,地盤の岩石や土壌の種類,気象条件等によって変動する。宇宙線によるものは緯度により変動する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自然放射能」の意味・わかりやすい解説

自然放射能
しぜんほうしゃのう
natural radioactivity

地上物質に本来含まれるウラン系列トリウム系列アクチニウム系列,およびカリウム 40などの放射性核種の放射能をいうが,炭素 14やトリチウムなど宇宙線核反応でつくる放射性核種の放射能も加えることが多い。通常の放射能測定装置で測定すべき放射性試料を除いた状態で検出される放射能 (宇宙線そのものの放射を含む) をさすこともある。測定器の周囲を厚さ約 10cmの鉛でおおうと,この放射能は約 1/3 に減少する。減少した部分が地上物質および宇宙線の軟成分の放射能で,残りは宇宙線の硬成分寄与である。

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世界大百科事典(旧版)内の自然放射能の言及

【ベクレル】より

…96年初頭X線発見の知らせを受けると,X線管中で陰極線のあたる蛍光壁からX線が発生することに注目し,ある種の蛍光物質からは同様な放射線が放出されているのではないかと考えた。そしてリン光を発するウラン塩を使用した実験から,ウラン元素そのものに由来すると考えられる新種の放射線(ベクレル線と命名された)を発見(1896),自然放射能の存在を明らかにした。続いて,この放射線の電離作用や,電場・磁場中での屈曲実験などを行い,その性質がX線と異なることも確かめた。…

※「自然放射能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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