トリチウム(読み)とりちうむ(英語表記)tritium

翻訳|tritium

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリチウム」の意味・わかりやすい解説

トリチウム
とりちうむ
tritium

水素同位体で、重水素の一つ。三重水素ともいう。記号はTまたは 3H。1934年イギリスのE・ラザフォードらにより核反応 2D(d,p)3Tで初めて合成された。その4年後放射能をもつことが発見された。0.0186メガ電子ボルトのβ-線を放ってヘリウム3Heになる。半減期は12.33年。大気上層で宇宙線による核反応 14N(n,t)12Cにより合成され、大気中にごく微量にみつかるヘリウム3の供給源となる。原子炉の核反応 6Li(n,α)3Tによって人工的に合成され、トレーサーとしての広い用途のほか、核融合反応の燃料として、またその人工制御にも用いられる。なお、トリチウム原子核トリトンという。

[守永健一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリチウム」の意味・わかりやすい解説

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