自由音場(読み)ジユウオンジョウ(その他表記)free sound field

デジタル大辞泉 「自由音場」の意味・読み・例文・類語

じゆう‐おんじょう〔ジイウオンヂヤウ〕【自由音場】

音源から発せられた音が周囲で一切反射屈折共鳴を受けずに拡散する音場無響室はこの自由音場に近く、音響機器の測定などに用いられる。→拡散音場半自由音場

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自由音場」の意味・わかりやすい解説

自由音場
じゆうおんば
free sound field

等方均質の媒質の中で,周囲の境界による反射,屈折,回折,干渉影響がまったくない音場。完全な自由音場というものは実際にはないが,音をよく吸収する材料で造った天井,壁,床で囲まれた部屋の中や建物木立ち地面などから遠く離れた音場は近似的に自由音場と考えることができる。自由音場の中では,平面音波なら音圧はどこでも等しく,球面音波なら音圧はその中心からの距離の2乗に反比例して減少する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の自由音場の言及

【無響室】より

… 壁からの反射がないので,室内では直接音だけが存在するため,点音源の場合の音の強さは距離の2乗に逆比例して小さくなる。このような音場を自由音場といい,マイクロホンやスピーカーなど音響機器の性能測定に使用したり,人間の聴覚や物体に音が当たったときの反射や吸音のぐあいを調べるのに用いる。【山本 照二】。…

※「自由音場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android