化学辞典 第2版 「臭化ヨウ素」の解説
臭化ヨウ素
シュウカヨウソ
iodine bromide, iodine monobromide
ヨウ素と臭素の化合物.確実なのは,IBrのみである.IBr(206.81)は一臭化ヨウ素ともいう.Br2 と I2 との直接反応で得られる.黒褐色(透過光では赤色)の斜方晶系結晶.気体IBr分子ではI-Br2.48 Å.結晶ではI-Br…I-Br…のジクザグ鎖状構造.I-Br1.52 Å.融点41 ℃,沸点116 ℃(分解).密度4.416 g cm-3(20 ℃).水,エタノール,エーテル,CS2に可溶.水では加水分解が起こり,HIOとHBrを生じる.気体は赤色で,臭素に似た臭いをもち,皮膚や粘膜をおかす.臭素化剤に用いられる.有毒.[CAS 7789-33-5]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報