舞踏会の手帖(読み)ブトウカイノテチョウ(英語表記)Un carnet de bal

デジタル大辞泉 「舞踏会の手帖」の意味・読み・例文・類語

ぶとうかいのてちょう〔ブタフクワイのてテフ〕【舞踏会の手帖】

原題、〈フランスUn carnet de balフランス映画デュビビエ監督による1937年公開の白黒作品。マリー=ベル演じる未亡人が、古い手帳を頼りにかつて舞踏会で一緒に踊った男たちを訪ねる人間ドラマ。ルイジューベフェルナンデルなど、フランスを代表する俳優たちが競演

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「舞踏会の手帖」の意味・わかりやすい解説

舞踏会の手帖
ぶとうかいのてちょう
Un carnet de bal

フランス映画。1937年、ジュリアン・デュビビエ監督作品、翌年に日本公開、キネマ旬報ベストテン第1位。イタリアの豪邸に住む夫を亡くしたばかりのクリスチーヌ(マリー・ベルMarie Bell、1900―1985)は、20年ほど前の手帖を手に、かつて自分に愛を語ってくれた7人の男たちを訪ねる。彼女との愛に破れて自殺した男の、精神に異常をきたした母親(フランソワーズ・ロゼー)を皮切りに、怪しいキャバレーの支配人(ルイ・ジューベ)、神父、登山ガイド、田舎の町長(レイミュJules Raimu、1883―1946)、堕胎専門の医師(ピエール・ブランシャールPierre Blanchar、1892―1963)、パリの美容師(フェルナンデル)であり、多くは絶望的な人生を送っていた。第二次世界大戦前のフランスを代表する俳優たちがオムニバス形式で出演する、デュビビエ監督1930年代の代表作。デュビビエは1941年に、ハリウッド製作で自らリメイクするが(『リディアと四人の恋人』)、失敗に終わった。

[古賀 太]

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