日本の城がわかる事典 「船上山城」の解説 せんじょうさんじょう【船上山城】 鳥取県東伯郡琴浦町にあった山城(やまじろ)。南北朝時代初期に後醍醐天皇が行在し、寺院を城郭化した城。1333年(元弘3)閏(うるう)2月から5月下旬までの約80日間、天皇が京へ還御するまで行在した、いわゆる船上山行宮跡(せんじょうさんあんぐうあと)である。船上山は標高616m、断崖絶壁の要害で、古くから大山、三徳山と並ぶ山岳仏教の聖地であった。鎌倉幕府によって隠岐に配流されていた後醍醐天皇は、1333年(元弘3)隠岐を脱出して伯耆(現鳥取県)に入り、豪族名和長年(なわながとし)らに守られて船上山山頂の寺院にたてこもった。鎌倉幕府方の佐々木清高らの軍との間で激しい戦いが繰り広げられたが、天皇方が勝利し、これによって反鎌倉幕府勢力を決起させ、鎌倉幕府はほどなく崩壊した。山頂一帯は行宮跡として、また古戦場として、国の史跡に指定されている。JR山陰本線赤碕駅からバス山川木地行、終点下車、徒歩40分。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報