船方新田(読み)ふなかたしんでん

日本歴史地名大系 「船方新田」の解説

船方新田
ふなかたしんでん

[現在地名]熱田区千年ちとせ

北はほり川に架かる大瀬子おおせこ橋から白鳥しろとり橋までを境とし、西は熱田新田東組である。熱田新田開発以降、東海道宮の渡の海路がせばめられ、そこにできた浅瀬を開発したもので南北に細長い新田である。

「民政御用留」(「名古屋市史」地理編)によれば、延宝三年(一六七五)、宮の渡を業とする船頭水主三六〇人を保護するため、当新田を開発し無年貢の地とし質入売買を禁止した。「徇行記」に「畠七町四反八畝六歩 外ニ葭野二町 熱田三ケ浦船方新田」と記されている。しかし享保七年(一七二二)、同一四年と水難にあい堤防決壊、船役人が自力で修復をすることができないままとなっていた。元文元年(一七三六)愛知郡山崎やまざき(現南区)徳左衛門が出資して堤防を築き、六ヵ年の作取り期間を経て年貢地となるところ、船役人は藩からの援助を得て、一五〇両をもって徳左衛門から新田を買い戻した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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