船野遺跡(読み)ふなのいせき

日本歴史地名大系 「船野遺跡」の解説

船野遺跡
ふなのいせき

[現在地名]佐土原町西上那珂 船野

丘陵に複雑に開析谷が入込んだ標高八四―八七メートルの台地に位置する旧石器時代の遺跡。昭和四五年(一九七〇)から同四七年にかけての三回にわたる第一地点・第二地点の調査によって小型のナイフ形石器と細石核、台形様石器の共伴が確認された。流紋岩製の細石核はそれまで九州において類例のなかった製作技法で作られており、船野型細石核とよばれる。この製作技法はまず礫の一端に打面を作成し、そこから横方向からの打撃によって厚みのある剥片をとり、この主要剥離面側から長辺部分に側面調整を施す。これを細石核の母型とし、短辺側からの細石刃剥離のための打面調整をせずに、主要剥離面から細石刃の剥離作業を行う。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android