芥屋村(読み)けやむら

日本歴史地名大系 「芥屋村」の解説

芥屋村
けやむら

[現在地名]志摩町芥屋

糸島半島の西端にある。南東岐志きし村、東は小金丸こがねまる村。北端に芥屋の大門おおとがある。天正一二年(一五八四)七月一二日、小金丸民部丞・三浦善左衛門を願主として当地の大祖権現の宝殿一宇が造営され、大檀那高祖たかす(現前原市)の原田了栄、奉行は池田休外軒宗清であった(「芥屋村産神社棟札銘」改正原田記附録/大日本史料一一―一一)。なお「吾妻鏡」元暦元年(一一八四)四月六日条にみえる筑前国「安富領」は芥屋付近に比定される。同領は平家没官領の一つとして源頼朝に与えられたが、平治の乱で平清盛に頼朝の助命嘆願をした池禅尼(平頼盛の母)の恩徳に報いるため、頼朝は寿永三年(一一八四)四月に平頼盛に返付した(同月五日「源頼朝下文案」久我文書/平安遺文八)

天正一九年三月二三日の志摩郡惣田数付(朱雀家文書)に安富名・芥屋村が併記され、田五五町九段余・畠四一町七段余。小早川時代の指出前之帳によると岐志村も含み田五四町余(分米五七一石余)・畠四一町七反余(分大豆一九〇石余)。慶長三年(一五九八)分の志摩郡物成帳(朱雀家文書)では高七五九石余、物成四三七石余(うち大豆一三一石余)、うち定物成三一四石余・御免し(免除)分一二三石余。岐志村分村後である同七年の検地高一千五三石余、うち大豆四三〇石余(慶長石高帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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