花勝見(読み)ハナガツミ

デジタル大辞泉 「花勝見」の意味・読み・例文・類語

はな‐がつみ【花勝見】

《「はなかつみ」とも》草花の名。アヤメのことといわれるが、ほかアシの花、カタバミデンジソウなどの諸説がある。「かつて」「かつ」を引き出す序詞として用いられることが多い。
「をみなへし佐紀沢さきさはに生ふる―かつても知らぬ恋もするかも」〈・六七五〉

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精選版 日本国語大辞典 「花勝見」の意味・読み・例文・類語

はな‐かつみ【花勝見】

  1. ( 「はながつみ」とも )
  2. [ 1 ] 水辺に生える草の名。花あやめ、まこも、葦(あし)、かたばみなど諸説がある。序詞の末にあって、「かつ」を引き出すために用いられることが多い。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「をみなへし佐紀沢に生ふる花勝見(はなかつみ)かつても知らぬ恋もするかも」(出典万葉集(8C後)四・六七五)
  3. [ 2 ]
    1. 同音の繰り返しで「かつ見る」にかかる。
      1. [初出の実例]「花かつみかつ見ても猶頼まれずあさかの沼の浅き心は〈藤原公雄〉」(出典:続千載和歌集(1320)恋三・一三九一)
    2. 転じて、「かつ」の類音の「数」にかかる。
      1. [初出の実例]「はなかつみ数にもあらぬ賤が身を長くもがなと祈る君はも」(出典:良寛歌(1835頃))

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