花魁道中(読み)オイランドウチュウ

デジタル大辞泉 「花魁道中」の意味・読み・例文・類語

おいらん‐どうちゅう〔‐ダウチユウ〕【花魁道中】

江戸時代、位の高い遊女が馴染み客を迎えに郭内茶屋行き帰り特定の日に美しく着飾って遊郭の中を練り歩いたこと。

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精選版 日本国語大辞典 「花魁道中」の意味・読み・例文・類語

おいらん‐どうちゅう‥ダウチュウ【花魁道中】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、著名な遊郭で、上妓が馴染みの客を迎えに郭内の茶屋などへ出向くときのゆきかえり。また、上妓や突出しの遊女が特定の日に郭中を練りあるくこと。
    1. [初出の実例]「阿意蘭道中(オイランダウチウ)八文字、放つ心の駒下駄は、十字に踏出す沓(くつ)の音」(出典西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉六)

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世界大百科事典(旧版)内の花魁道中の言及

【花魁】より

…ただし,尊称的美称であって職名ではないから,どの遊女が花魁と別称されるかはっきりせず,座敷持ち以上または部屋持ち以上という約束はあっても,それ以下の下級妓をさした場合もあり,その混乱は時代とともに拡大した。花魁が最高格として処遇されたなごりは花魁道中にある。花魁道中の原形は太夫の揚屋入りにあるが,これを観光ショーとして独立させたもので,そのために豪華さを増した。…

【遊郭(遊廓)】より

…大勢の客の中には張見世(はりみせ)を見て回るだけの見物客もあり,これを〈ひやかし〉〈ぞめき〉〈素見(すけん)〉といった。そうした見物客にとっては,花魁(おいらん)道中も目を楽しませるものであった。遊女の衣装は,絹つむぎ,木綿の紺屋染までと規定されていたが少しも守られず,金銀糸の高価な衣類を着用した。…

※「花魁道中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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