精選版 日本国語大辞典 「郭中」の意味・読み・例文・類語 かく‐ちゅうクヮク‥【郭中・廓中】 〘 名詞 〙① =かくない(郭内)①[初出の実例]「中不レ得レ避二諠譁一、遇レ境幽閑自足レ誇」(出典:菅家後集(903頃)官舎幽趣)「誰とて酔を発するもなく郭中(クヮクチウ)常より蕭然(ひっそ)とせり」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉一二)[その他の文献]〔史記‐晉世家〕② =かくない(郭内)③[初出の実例]「郭中(クハクチウ) 傾城町一くるわの内の事をいふ時の詞なり。是を郭内ともいふ」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本歴史地名大系 「郭中」の解説 郭中かちゆう 高知県:高知市高知城下郭中高知城の外郭にあたる武家の居住地域。北は江(え)ノ口(くち)川、南は鏡(かがみ)川、東は江ノ口川に架かる廿代(にじゆうだい)橋から南下して堀詰(ほりづめ)を経て鏡川に至る筋、西は東流する江ノ口川が北に湾曲するところから南下して金子(かねこ)橋を経て鏡川に至る筋を境とする。北と南を流れる江ノ口川・鏡川を天然の外堀とし、東側・西側は堀を掘って外堀とした。これら堀辺には堤防を築き、松などを植えて郭外の町人町と区画した。北西部に高知城が屹立し、郭中と内堀で画される。郭中の道路はやや西に傾くが、ほぼ南北の筋と東西の筋で構成される。その筋に面して大小の屋敷割がされ、城に近い地には家老・重臣の邸が配され、それらを囲むように中堅家臣の屋敷が置かれた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報