芸術意欲(読み)げいじゅついよく(その他表記)Kunstwollen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「芸術意欲」の意味・わかりやすい解説

芸術意欲
げいじゅついよく
Kunstwollen

オーストリアの美術史学者アロイス・リーグルによって,芸術学,美術史に導入された概念。各時代,社会や民族は固有な芸術理念への意欲をもつという考察から生まれた。リーグルは,著書『末期ローマの美術工芸』Die Spätrömische Kunstindustrie(1901)において,従来,古典古代堕落にすぎないとみなされてきた古代末期のローマ芸術を,古典古代とは異質の理念,異なった価値基準に基づく芸術形成であることを明らかにし,ローマのみならず,すべての様式が,それぞれに固有な芸術意欲の現れであることを説いた。この概念は,ウィルヘルム・ウォリンガーをはじめ,いわゆるウィーン学派の基本的な理念となり,イギリスの T.E.ヒューム,ハーバート・リードらによっても継承され,今日,美術史を考察する際の前提的な概念となっている。

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