日本歴史地名大系 「英保郷」の解説 英保郷あぼごう 兵庫県:姫路市旧飾磨郡地区英保郷「和名抄」にみえる餝磨(しかま)郡英保郷を継承した中世の郷名。市(いち)川下流域の現姫路市阿保(あぼ)・東阿保を遺称地とする。建長元年(一二四九)七月日の播磨国司庁宣案(正明寺文書)によると、「英保郷包末別」に称名(しようみよう)寺(正明寺)の念仏田四段一〇があった。応永四年(一三九七)四月日の播磨国酒見寺雑掌申状案(醍醐寺文書)からは、観応年中(一三五〇―五二)に当郷が足利尊氏から酒見(さかみ)寺(現加西市)に寄進されたが、守護赤松氏によって横領されたことが知られる。 英保郷あぼごう 兵庫県:播磨国飾磨郡英保郷「和名抄」所載の郷。訓は高山寺本・東急本ともに「安母」。「播磨国風土記」に英保里(村)があり、地名は伊予国英保村の人が来て居住したことにちなんで命名されたという。しかし伊予国の記述は「和名抄」などにみえる伊賀国阿保郷(村)の誤りではないかとの指摘がある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報