荒打ち(読み)アラウチ

デジタル大辞泉 「荒打ち」の意味・読み・例文・類語

あら‐うち【荒打ち】

[名](スル)土蔵などの壁を作るのに、まず荒木田土あらきだつちすさとをまぜたものを木舞こまいの間に塗りつけ、壁の下地を作ること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「荒打ち」の意味・読み・例文・類語

あら‐うち【荒打・粗打】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 土蔵の壁を塗るとき最初に荒木田土を小舞の間に塗りこめて壁の下地をつくること。このとき、素人も少し隔たった所から土を打ちつけて祝うことが行なわれた。あらぬり。
    1. [初出の実例]「荒打に左官斗は本の㒵」(出典:雑俳・柳多留‐初(1765))
  3. 鍛冶屋が鉄を粗く不完全に鍛えたり、大工などが手斧(ちょうな)材木を粗削りすること。
    1. [初出の実例]「Arauchiuo(アラウチヲ) スル」(出典日葡辞書(1603‐04))
  4. 弓を作る竹で、これから磨いたり曲げたりするもの(日葡辞書(1603‐04))。
  5. ( 形動 ) 態度、様子などが粗野なさま。
    1. [初出の実例]「我師伝教大師は〈略〉漢土に久もわたらせ給ざりける故に、此の法門はあらうちにみをはしけるやとおぼして」(出典:日蓮遺文‐撰時抄(1275))

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