菊を采る東籬の下、悠然として南山を見る(読み)きくをとるとうりのもと、ゆうぜんとしてなんざんをみる

故事成語を知る辞典 の解説

菊を采る東籬の下、悠然として南山を見る

俗世間から離れ、心にもの思うこともなく、自然を楽しんで生きる心境を現すことば。

[使用例] うれしい事に東洋の詩歌はそこを解脱したのがある。採菊きくをとる東とう籬りの下もと、悠然ゆうぜんとして見南山なんざんをみる。ただそれぎりの裏うちに暑苦しい世の中をまるで忘れた光景が出てくる[夏目漱石*草枕|1906]

[由来] 四~五世紀の中国の文人、陶とう淵えん明めい(正式な名は陶とう潜せん)の「飲酒」という詩の一節から。勤めを辞めて故郷に帰り、自然と一体になって暮らす心境を、「菊を采る東籬の下、悠然として南山を見る(東の垣根のところで菊の花を折り取り、ゆったりとした気持ちで南方に見える山を眺め見る)」とうたっています。

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